Think Memo No.044 変わる中国製の品質。日本製も同じ道を通過してきた。
アメリカと貿易冷戦状態の中国。中国国内の貿易業者は、皆戦々恐々に違いない。しかし、輸入業者から泣き言は聞こえない。
冷戦の収束が近いことを感じているのだろうか?彼らは落とし所が分かっているのだろう。
中国国内の生産が増えているのか?
知人の中国工場も、国内向けに20%ほど生産しているらしい。日本向けの輸出で得た、ノウハウを中国国内向けにアレンジて販売している。
それに伴い、品質もアップしている。
中国国内でも、ネット時代に入り、安かろう、悪かろうの商品は市場から退場を余儀無くされる。
かつては粗悪品の代名詞、メイドインジャパン。
信じられないだろうが、メイドインジャパンは、かつては粗悪品の代名詞だった。いわゆる品質管理と言う考え方が無かった。
しかし、戦後、アメリカからデミングの「品質管理」と言う発想が導入され、劇的に変わる。
中国も同じような道をたどるだろう。20年ほど前の中国製は本当にひどい物であった。
初めて中国で生産した20年前の出来事。
中国の青島の工場で、OEM製品を生産した。そこで見た光景は今でも忘れられない。
生産が終了し、仕上げの段階での出来事だ。
出来上がった商品を蹴飛ばして、移動させたり、平気で汚い靴で乗っかるのだ。商品=売り物=自分たちの給料。と言う発想が無い。
これには驚き、即工場の責任者に説明をしたが、本当に分かっているいるか疑問だ。「キョトン」としている。
2019年現在の中国工場。
深圳の工場は、インターネットで世界中と繋がっている。日本からの航空便は次の日の午前中に着く。広大なパーツマーケットがあり、
ほとんどのものが揃う。
人材は豊富だ。優秀な人材は、殆どが、日本語と英語を使える。
人件費も日本よりはまだ、少しだけ安い。生産ロットも小さくなり、小回りもきく。
日本人が中国の工場にオーダーし、中国人が日本の工場にオーダーする時代に。
今後の日本製のオーダーは、中国人からのオーダーが増える。逆転現象だ。
中国人は日本でOEM商品を作り、自国で販売する。
そんな時代がもうすぐそこに来ている。