Think Memo No.065 縫製加工では、前工程が品質の安定と完成度を高める。

ひと手間かけることが、江戸前鮨のコンセプトだ。それは「ものづくり」でも同じことが言える。

ひと手間かけることは、やはり面倒臭い。誰しも同じだ。
しかしながら、縫製加工品でさえも、ひと手間かけることで、品質の安定と完成度が高まる。

縫製前の前工程(下仕事)が、完成度を高める。

直線縫いが基本であり、意外にも難しいと書いた。直線縫いに始まり、直線縫いで終わる。これが基本だ。
縫製加工の現場では、職人の能力に差がある。この状態が普通であり、考慮しなければいけない。

職人が、考え込む事なく、あたかも機械の一部となったかごとく、手を動かすことが重要だ。
なぜなら 考えると 仕事が一瞬止まる。この積み重ねが時間に跳ね返る。時間イコールコストだ。

前工程をショートカットしてはいけない。

ベテランはこの部分を面倒くさいと考える人もいることは確かだ、
しかし、製品の平均値が必要なのだ。芸術作品を作ることが目的ではない。

そのために、前工程の作業を重要視する。
この分をショートカットすると、仕上がり感にバラツキが出る。

基本的な前工程(縫製前段取り)

1)両面テープを使い、生地を安定させる。
最も多用する方法。初心者から ベテランまで使う。
両面テープも、縫製用両面テープがある。

2)アイロンで生地を安定させる。
アパレル分野で多し。頻繁に使われる方法。

3)直線縫い用 定規
ミシン用アタッチメントで、これも頻繁に使用される。
部分縫い用に使用し、作業を機械化出来る。

ひとりものづくりは、所詮アナログである。アナログの仕事は、人間の作業をいかにして、標準化する事だ。能力には差がある。その差を埋める事が品質の安定化につながる。