ひと手間かけることが、江戸前鮨のコンセプトだ。それは「ものづくり」でも同じことが言える。
ひと手間かけることは、やはり面倒臭い。誰しも同じだ。
しかしながら、縫製加工品でさえも、ひと手間かけることで、品質の安定と完成度が高まる。
縫製前の前工程(下仕事)が、完成度を高める。
直線縫いが基本であり、意外にも難しいと書いた。直線縫いに始まり、直線縫いで終わる。これが基本だ。
縫製加工の現場では、職人の能力に差がある。この状態が普通であり、考慮しなければいけない。
職人が、考え込む事なく、あたかも機械の一部となったかごとく、手を動かすことが重要だ。
なぜなら 考えると 仕事が一瞬止まる。この積み重ねが時間に跳ね返る。時間イコールコストだ。
前工程をショートカットしてはいけない。
ベテランはこの部分を面倒くさいと考える人もいることは確かだ、
しかし、製品の平均値が必要なのだ。芸術作品を作ることが目的ではない。
そのために、前工程の作業を重要視する。
この分をショートカットすると、仕上がり感にバラツキが出る。
基本的な前工程(縫製前段取り)
1)両面テープを使い、生地を安定させる。
最も多用する方法。初心者から ベテランまで使う。
両面テープも、縫製用両面テープがある。
2)アイロンで生地を安定させる。
アパレル分野で多し。頻繁に使われる方法。
3)直線縫い用 定規
ミシン用アタッチメントで、これも頻繁に使用される。
部分縫い用に使用し、作業を機械化出来る。
ひとりものづくりは、所詮アナログである。アナログの仕事は、人間の作業をいかにして、標準化する事だ。能力には差がある。その差を埋める事が品質の安定化につながる。