Think MemoNo.343戦車型バックパックを作る。 ツワモノ現る(その1)

縫製品で、戦車を作った職人がいる。もっとも実際に動く戦車ではない。背負える戦車。戦車型バックパックである。
少しだけ、モノの見方を変えると不可能も可能になるというケーススタディである。

アニメ ガールズ&パンツァー(GILRS und PANZER)からヒントを得て

ガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER)と言うアニメがある。ストーリーが飛んでいる。女子高生と戦車と全く繋がりのないテーマで物語が始まる。このアイデアも素晴らしい。試しに見てみると結構はまる。

このアニメの舞台は茨城県大洗。偶然ではあるが、知人はアニメの舞台に近い所に住んでいる。軍物マニアであった知人は
アニメで「町おこし」をしたいと考えた。「戦車のバックパック をつくろう!」この思いがスタートだ。

縫製品戦車
まさにバックパック

縫製加工品で戦車は作れないか?素朴な疑問からスタート。

知人は図面を描けるが、ミシンは使えない。手間のかかる開発を請け負ってくれる業者も無い。しかし、コロナ禍が幸いした。緊急事態宣言下で、少し手の空いた職人と出会った。その職人も新しいモノ好きな、チャレンジャーであったのだ。

相談した職人の第一声が、「それは難しいなぁ。ミシンに入らなければ縫えないよ」返事は簡単である。
なぜなら、戦車は直線的で直角の塊である。縫製品とは対極の物である。万事休す。

諦めきれず、設計図、型紙作りへ。

縫製品は型紙が必要だ。型紙は簡単では無い。立体を想像して、展開図を作る。
この分野は、才能が必要だ。空間把握能力が優れていなければ出来ない。

いわゆる縫製職人でも、型紙を作る人は少ない。開発分野なので、時間とコストが掛かる。出来れば避けたい仕事だ。
知人は、プロではないが、この空間把握能力が優れていた。自分で展開図が描けたことが幸いした。

コロナ禍で時間が余り、職人の好奇心に引っ掛かる。

元来、職人は好奇心旺盛な人が多い。与えられたテーマが、難しく成ればなるほど、熱いものが湧き上がる。
何か面白いそうだ。コロナ禍で現場が動かず時間もある。「少しだけやってみよう」
そんな軽い気持ちでプロジェクトが動き出した。

試行錯誤の連続。いちどは諦めたが、ある日アイデアが降りてくる

来る日も来る日もミシンに向かい試行錯誤の繰り返し。実際ビジネスにはならない。殆どの趣味の世界だ。
試作をしばらく放り出していた。そんな時、雑談の中からふとアイデアが降りてきたらしい。
そのアイデアを具体的な形にしたところ試作品第1号ができた。

その2に続く