Think Memo No.016 デザイン盗用の問題。ものづくりは模倣の繰り返し?

Think Memo No.016 デザイン盗用の問題。ものづくりは模倣の繰り返し?

デザインは模倣されるもの?

デザイン模倣問題は、ものづくりが始まった太古の時代からあるに違いない。世界中どこの国でも、売れた商品は必ずデザインが模倣される。デザインの模倣レベルならば、良いかもしれない。アジア諸国は、ブランドのコピー商品が溢れている。

ある国では、観光客向けにお土産として、コピー商品を普通に売っていた。残念ながら品質は良くなかったが、普通に使える商品だった。コピー商品の品質は国力の表れである。GDPのアップと共に、品質が劇的に良くなっていく。

言葉を変えれば、悪質になると言うことだ。販売のやり方も巧妙となり、店頭で堂々と売る事はない。秘密裏に売るのだ。

アウトドア商品も元はと言えば模倣がスタート。

1970年代に西海岸から吹いた、ファッションの風が日本を席巻した。デイパック、サーフィン、アウトドア、ローラースケート、テニス、
など街中に溢れた。アウトドア・アトリエのデイパックも同時のアメリカの商品を改良したものだ。

ただし、日本の生活風土に合わせデザインを改良した。コピー商品では無い。

ものづくりのプライドとして、デザインの完全コピーはすべきで無い。

よくあるパターンで、買ってきた商品を、バラして型紙を取り商品化する。アジア諸国には多い。自国で売る分には良いかもしれないが、
その商品を輸出することは止めよう。そのデザインをオリジナル商品として提案することは止めよう。

デザインを学ぶのは良い。そしてそれを元にバージョンアップしよう。

商品デザインの使い勝手や機能を学び、それを応用して更にバージョンアップすることは良い。それはアレンジだ。
オリジナルのコンセプトを加えることだ。

ケーススタディ

ポケッタブルデイパックオリジナル商品

この商品は、今から6年以上前に生産した商品だ。大手アウトドアショップのオリジナルのデザインだ。弊社、アウトドア・アトリエが生産のパートナーとして、ベトナムのネットワークで作った。デザインは当時のショップの担当者の完全なオリジナルだ。なぜなら、デザインスケッチを今でも持っている。

それから数年後、大手ネット通販サイトにコピー商品が溢れている。この商品の開発コンセプトが分かっていないので、ネット通販サイトの商品説明を読むと面白い。

担当者は苦笑していた。「コピーされて喜んでいい良いどうか分からない。」との事である。